投資の格言に「魚の頭としっぽはくれてやれ」というものがあります。
あとは「欲張る乞食はもらいが少ない」ということわざもあります。
つまりあまりにも欲を出しすぎると、逆効果になるという教えです。
逆にほどほどの利益で満足できる人は、投資で毎回確実に利益を重ねられ、起業においても参加者とうまくやっていける傾向が強い人です。
投資家、そして起業家というのは本来、多く稼ぎたいと願う人種なので、判断の間違いの中で、「ほどほどの利益」で満足することができないということがリスクとなり、かえってディールをダメにしてしまうことがよくあります。
投資家と起業家は本来、教育水準が高く、頭のいい人たちなのですが、私が見ていてもこの点でつまづく人がとても多いです。
儲かりそうなディールがあると、「ここをこうすれば、もう少し儲かる」とか「もう少し交渉できるかも」と続けているうちに、限界点を突破してしまうわけです。
どうしてこうなってしまうのかという最大原因は、「自分はもっともらって当然だ」という根拠のない思い込みがあるようです。
それに対し他人の評価は大抵は異なっていて、「そこまでの貢献度はないのに、どうしてそんなに要求するのか」という理解の差が、問題を引き起こすわけです。
私が関係しているある案件ですが、過去二年間振り返ってみたときに、数人を残して残り全員入れ替わってしまいました。
原因はすべてこれです。
「少しだけ参加できるだけでも十分です。」
「末席で構いません。」
「できることは何でもやりますよ。」
こういう態度の人は結局最後まで残り、人とのトラブルもなく、一番大きな利益を手にできるものなのです。