シンガポールへの出張から帰国して、その報告を兼ねた打ち合わせでオファーを受けました。
どうやら私の知らないところで、話し合いがなされていたようです。
私はシンガポールには、とある案件の確認をするために行ったのですが、お会いした要人は私と「就職の面接」をする目的だったのです。
つまり、この案件と他のいくつかの案件に私を入れたいという提案があり、私に聞く前に案件のボスが私と直接、会って話をしたうえで、人物像を確かめたいということだったようです。
現在、この案件に関わっている人が高齢になり、思ったように動けなくなりつつあるので、その方の代わりに英語ができて、国際ビジネス感覚がある人を探していたところ、どうやらその方は私を推薦していたようです。
私には何も知らされずにシンガポールに行き、面接をしていたということなのです。
帰国して打ち合わせに行くなり、突然、「あなたは合格したようだ」と言われ、一体何の話なのかと思いましたが、あとから話を聞いて、そういうことだったのかと納得しました。
シンガポールの方は、その人の背景、能力はもちろんですが、私が大金が絡むと人を裏切るのかどうかとを見極めたかったそうです。
とてもお忙しい方なのに、一日中、私に付き合ってくださりシンガポールを案内したり、関係各所の責任者を紹介してくださったりしていただきました。
その方は私には詳しくは言いませんでしたが、国家レベルの大きな案件を複数、扱っているそうです。
ということで、思いもしないところから、大きな仕事の話をいただきました。自分の能力的にハンドリングできるかどうか分かりませんが、できる限り努力したいと思います。
私も経験がありますが、大きなビジネスでは人間としての信頼性が最も大切です。
残念のことですが、大金を目にすると豹変したり、人を蹴落とそうとしたり裏切る人というのは本当に多いものです。
何もない状況下ではごく普通なのに、あっという間に変わるものなのです。
私も最終的にビジネスパートナーを選ぶ時はその人の人格を重要視します。
友人からもよく言われるのですが、私の口癖で「人は変わらない」というものがあります。
いつもいつも繰り返すので、友人たちからは「また言っているよ」と思われていますが、それくらい大事だと思っているポリシーです。
例えば、一度ウソをついた人は何度もウソをつきます。
ある人がウソをつく場合、そしてそのウソが自分に対してでない場合、つまり他人に対してウソをつくの場合を見かけることがあるかもしれません。そういう人はいつかは自分に対してもウソをつくだろうと考えます。
これはウソだけでなく、他のいろいろな特徴にも当てはまります。
忘れっぽい人や自分勝手な人も状況や事案は変わっても、同じミスを何度も繰り返すものです。
一旦、人格の一部になった性格や特性はなかなか変わりにくいものです。
なぜかというと当の本人がその欠点をあまり意識していない場合がほとんどだからです。
逆に自分で意識している人や他人からのアドバイスを聞ける人は修正できますが、普通は人間の特性として難しいものだと思うのです。だから普通の人は問題に気づくと、指摘する代わりに静かに離れていくものです。そして当人はなぜそうなるのかに気付かずに、同じ間違いを付く返し続けるものなのです。
「歴史は繰り返す」、と言いますが人の特性は本当に変わりにくいともいえると思います。あと「細部に神は宿る」とも言いますが、細かなところにその人の本質が現れるとも言えそうです。
たまに親しい友達に率直なアドバイスを求めてみると、よいかもしれませんね。信頼性のアップに役立つと思います。
自戒の意味も込めて、私は今後も気を付けなければいけないと思った出来事でした。