ここのところ、たまたまサラリーマンをやめて、起業か投資を始めたいという人たちに続けて会いました。
大抵は高学歴で、一流企業勤務、年は50代初め。中には役員になっている人もいました。
高収入なのですが、これからサラリーがカットされることや、まだ子供の学費や住宅ローンが残っているので将来に対する不安は大きいようです。
となると、考えるのは起業することか投資をすることになるわけです。
ただたいていのサラリーマンが理解していないのは、優秀なサラリーマンと起業家に求められるスキルとマインドセットは異なるということです。仕事は仕事なのですが、やり方や考え方は全く異なります。
例えで言うならば、同じスポーツでも相撲選手と格闘技の選手に求められるものが違うのと同じです。よくあるのが相撲を引退した後に、格闘技に転向する人がいますが、ほとんど成功していないと思います。サラリーマンから起業家への転向はこれに似ています。
理由はいくつかあります。
サラリーマンは仕事で失敗しないように、リスクを取らないように教えられますが、起業家はチャンスを見分け、トライし失敗を繰り返して成功に到達しようとするものです。
リスクを利用して成長とする世界とリスクをできるだけ避けようとする世界の違いがあります。
あと、サラリーマンと違うのはすべては自己責任、自分で考え、自分で決定、そしてすべての責任を自分で取ろうとします。
サラリーマン気質の人はしばしば投資や起業が思惑通りに行かないと、学ぶ代わりに他人のせいにする傾向があります。
あとは、資金調達の方法や人のマネージメント、マーケティングなど、サラリーマン時代では関係のなかった仕事をやらなければならないものです。
ですから間違いを犯した時に立ち止まり、考え、学ぶことができにくい人、つまり会社内で失敗しても自分で責任を取らなくて済む立場に長くいた人たち、そして時間的に学んで正す余裕がない人たち、つまり一度の挑戦にすべてをかけなければならない人にとって、起業のハードルは高すぎるように思えます。
一度の挑戦が失敗するとすると、やり直しがききにくいからです。となると、起業をするのはできるだけ早い方がよいということになります。
一度でも失敗すると、考え方が変わり、ぐっと成長する人がいます。計算されたリスクを自己責任で取れる人になると、起業の成功角度はかなり上がりますし、人から声がかかるようにもなります。
何度も失敗を繰り返して、そこから学ぶことにより起業家として少しずつ成長しているものです。
私には起業に関して参考にしている本があります。ロバート キヨサキ氏の本です。
もう読みすぎてボロボロになってしまいましたが、今でも定期的に読んでいます。特に一人で出張に行くときなどに必ずカバンにいれて読み返しています。
この本は私にとってのバイブルで、起業した人だけが分かる宝石のようなアドバイスがたくさんちりばめられています。金持ち父さんシリーズはたくさんありますが、私にとってはこの本がベストだと思いますし、キヨサキ氏の渾身の作品だと思っています。
起業したことがない人が読むと「ふーん」としか思わないと思いますが、読み手のリテラシーが高いと価値を理解できると思います。