最近、アメリカ在住の不動産投資家の方とお会いする機会がありました。
アメリカといっても、広いので都市ごとにかなり違いがあり、私も知らないことをいろいろと学ばせていただきました。
話の中で出たのが、日本人の不動産投資とアメリカの不動産投資ではポイントと感覚がずいぶん違うということです。
そこを理解し、それに合わせなければ大きな成功はなかなか難しいのではないかと思います。
現在の日本のアメリカ不動産のビジネスの売りは利回りと減価償却がメインです。
しかしこれはアメリカ不動産を全く理解していない日本人投資家にわかりやすくし、しかも業者側が利益を最大化するためのセールストークだと思います。価値を数値化することにより、実際よりも利益があるように見せかける方法ではないかと思っています。
利回りと減価償却が悪いと言っているわけではありませんが、そればかりを求めてもあまり利益が出ません。
減価償却というのは日本の税法を元にした計算ですし、ぶっちゃけアメリカの古い木造物件を買えば、どんなものでも減価償却は取れます。ただその物件に本当に価値があるのかどうかというのは、全く別の話になります。
利回りも同様で、想定の家賃で入居者が付き、きちんと家賃を払い、しかも不意の出費がなければ達成されるという、条件つきの利益です。この条件が一つ欠けただけでも、利回りは大きく変わってくるからです。
そうなると不動産を買う際には、結局のところ「適正価格」かどうか、という一点に問題は絞られてくると思います。
計算上の利回りは極端に低くても、適正価格であればよい投資ということになります。
実際のところ、利回りが低い物件の方が安定稼働し、キャピタルゲインが出やすいので、結局は儲かりやすいと思います。
アメリカ人的には、そうした物件を狙う人が多いような気がします。
なじみがない土地で不動産を買うことになりますので、表面的な数字では見えない本質的な価値をどこまで理解できるか、ということがアメリカの不動産投資では一番大切なような気がします。