昔ある賢い人がこのようなことを言いました。
「戦争をする国家の通貨を持っていてはいけない」
敗北すれば通貨は紙切れ以下になるかもしれず、敗北しなくても戦争の費用を賄うため金融緩和や増税を行うため通貨の価値は下がることは明白だからです。
こんな話があります。
1971年にニクソン大統領がアメリカの金本位制を"一時的に"外したことは有名な話です。
そのころアメリカはベトナム戦争に巨額の資金を投入していました。
この動きを懸念したフランスのシャルル ド ゴールという名の政治家がいました。
この方は元軍人であったため、延々と続くベトナム戦争で使う弾丸、戦闘機だけでなく兵士の給与を支払うために、アメリカ政府が通貨を大量に発行することを知っていました。
戦争に必要な経費を賄うために天文学的な額の通貨発行をすることを察知したわけです。
金を刷るだけで、巨額の資金を外国から借り入れる動きに出でいることも知っていました。
1965年の時点でドルの通貨危機が起こることを予測し、防衛のために金本位制を導入することを提案していました。
そしてニクソン大統領が金本位制を廃止することを知り、急いで行動に出ました。
ニクソン大統領が金本位制を廃止したのは1971年8月15日でしたが、その前にフランスは軍艦をニューヨークへ派遣しました。
軍艦には大量のドルと米国債が積まれており、返却すると同時に金の現物を引き渡すようアメリカに要求しました。
金の返還を求めて半ば脅迫行動に出たわけです。
アメリカは要求に応じ、金の現物をフランスに引き渡しました。
この出来事の後、アメリカ政府は金本位制を廃止することでドルと金を交換することを禁止しました。
言い換えれば、引き渡せる量の金はなかったことになります。
シャルル ド ゴールの取った行動は、様々な意味で現代に生きる私たちに重要な教訓を教えるものだと思います。