FRBはアメリカ人の負債額が急増しているため、大量デフォルトが起こると警告しています。
HOUSEHOLD DEBT AND CREDIT REPORT
アメリカ人が抱える債務額は17.5兆ドルに到達しました。(約3500兆円)
パンデミック発生以来、アメリカ人の債務額は3.4兆ドル増加しました。
それとは別に政府債務はパンデミック以来、10兆ドル増加しました。
平均的なアメリカの世帯は、103000ドルの新たな債務を背負ったことになります。
内訳としては一人当たりの個人負債が27000ドルで、政府の負債が76000ドルとなっています。
アメリカ政府の債務増加だけでなく、個人債務も急増しているわけです。
アメリカ人は合計で12.3兆ドルの住宅ローンを抱えています。
さらに自動車ローンが1.6兆ドル、1.6兆ドルが学資ローン、カードローンが1.1兆ドルとなっています。
特に注目すべきなのは、カードローンで一世帯当たり6000ドルのローンを抱えています。
カードローンの金利は25%で、年間1500ドルの金利を支払うことを意味します。
様々な負債を合計すると、アメリカ人家庭の平均債務額は400000ドルです。
それに対しての平均所得は66000ドルしかないので、すでに維持不可能なレベルに達しています。
債務だけがアメリカ経済を支える原動力となってきましたが、限界に達していることをFRBは指摘しています。
実際、デフォルトが急増していることが報じられていますが、そのうちでも最大の物は住宅ローンです。
パンデミック発生以来、助成金や差し押さえ強制停止により先延ばしをしましたが、その間にも問題は悪化の一途を辿り限界点に到達しています。
債務が増えすぎると、デフォルト→バブル崩壊→救済→ハイパーインフレというサイクルに突入することになります。
昨晩、バイデンは一部学資ローンの債務帳消しを発表しました。
帳消しにしなければ大量デフォルト不可避なのでしょう。
恐らく今後様々な債務取り消しをしていくと思われますが、住宅ローンも含まれると考えられています。
しかし債務取り消しの一部として、最終的には住宅を失う仕組みが組み込まれると思われます。
アメリカ人にとっては債務でも、契約を保有する金融機関にとって債務は資産です。
つまり今起こっていることですが、デフォルト=契約の価値がゼロになる、ということを意味します。
そして債務には債権化された巨額のデリバティブが存在しますので、デフォルト急増は金融システムの不安定化に直結するものです。
システム延命のためには、金融機関の統合とベイルアウト+債務キャンセルが必要とされるわけですが、このどちらも巨額の金融緩和を必要とします。
これは商業不動産の件も同じです。
今はインフレの第二波が始まろうとしているタイミングであるのと、脱米ドルの動きが加速しています。
そのために、FRBはドル防衛のために利上げ+金融緩和再開に追い込まれると懸念する人もいます。
今の世界でデフォルトしない資産はごくわずかしかありません。それは金と銀です。
全世界がデフォルトの波の飲み込まれていく中で、可能な限り債務の額を減らすと同時に金と銀を入手することは生き残るのに必要なことだと思います。
聞くところによると、今年の大統領選挙は行われずその時期の前にCBDCを強引に導入する予定であるようです。
つまりハイパーインフレ+CBDC導入による債務帳消しを画策しているのでしょう。
そしてCBDCの法整備としてサイバーパトリオット法案(仮称)導入が検討されているようですが、サイバー攻撃により大被害が発生し、それを防止する法律としてCBDC導入を可能にする法案をごり押しする計画のようです。
政府債務のリセットと同時に個人債務も帳消しになるのかもしれませんが、保有資産も同時に失う可能性があります。
リセットが失敗すれば資産を失わずに債務だけが帳消しになる可能性もややありますが、リスクは取らない方が無難です。