かなり大きな出来事がありましたので、それについて書きたいと思います。
英語では"the elephant in the room"(部屋にある象=大きすぎて見えないはずはないのに、見て見ない振りをするという意味)表現がありますが、まさにこれが起こっています。
どう説明してよいかも分からない規模の話ではありますが、金融システムの実態が良く表れています。
最近の出来事で理解し始めている人も多いのですが、"健全な経営"をしているはずの金融機関が突然破綻するものです。
クレディスイスもシリコンバレー銀行もそうですが、バランスシートを見ている限りは健全なのです。
破綻直前になって問題が表面化するわけですが、問題はバランスシートには載せられていないデリバティブです。
意図的にバランスシートから外され、分かりにくくされているもの規模を理解する助けになるのが、下のリンクです。
下のリンクは2020年時点のもので、今の物とは少し違いますが、この図では銀の市場の規模とデリバティブの規模が掲載されています。
分かっているだけで、どれくらいの額のデリバティブが存在するのか何となく想像できると思いますし、私たちか銀の現物を買うべき理由もわかると思います。
MONEYAll of the World’s Money and Markets in One Visualization
2日前に突然、BIS(国際決済銀行)が非常に分かりにくい仕方である発表を行いました。
内容としては金融機関のバランスシートに掲載されていないデリバティブが少なくとも1千兆ドル存在すること、そしてそれが破綻寸前であるという内容です。
デリバティブの中身はFXで、金融機関が国際取引で外貨を調達する時に利用している借り入れとなっています。
国債取引は日常的に行われているのと巨額なので、なぜこれがバランスシートが外されていたのかに関する納得できる説明はありません。
いずれにしても、どう少なく見積もっても1千兆ドル存在するデリバティブが破綻寸前だとしています。(恐らくかなり少なく見積もっているはずです。)
これCLSと呼ばれる機関のデータのようで、国際為替取引の50%程度を取り扱っているようです。
アメリカ政府の債務が33兆ドルの大台に乗ったと騒がれていますが、このデリバティブの額は30倍以上です。
非常に分かりにくく書かれていますが、内容を要約するとこういうことです。(下にリンクを張り付けておきます。)
アメリカとヨーロッパの金融機関が国際取引のドル/ユーロ/円融資のほとんどがバランスシートに掲載されていないという内容です。
信用創造でもう分からないくらい増やしまくったということでもあります。
この件がテレビで取り扱われないというのは異常です。
Bank positions in FX swaps: insights from CLS1
ここ最近の急激に利上げや日本円の暴落で、バランスシートには出でいない巨額の損失があるわけですが、当然この全てにカウンターパーティーリスクがあります。
繰り返しますが1千兆ドルというのは、かなり少なく見積もった額です。というのは他の通貨は含まれていないからです。
内容を簡単にまとめましたが、大きすぎるため今起こっていることを正確に理解している人はどこにもいません。
これが吹っ飛ぶとき世界の金融システムは完全に停止します。
このことを考えると、イエレン財務長官が経済の"ソフトランディング"について語り続けているのが、非常に悪い冗談としか思えません。
ただBISが爆発の直前とは言え、報告したことは評価に値します。(一応説明はしたと釈明するためなのでしょうが、、)
今内容を理解して、逃げられる人はほとんどいないと思います。
人々は一瞬にしてすべてを失ったことに気付き、発狂することになるはずです。
確かに隕石の衝突規模の出来事がないと、逃げ切れない規模の出来事だと思います。
昨日の記事で書きましたが、クリフハイがやや歯切れが悪い形ではありましたが、9/28-10/4の出来事について話していました。
そういえば10/4の東部標準時間の2:20に緊急警報システムのテストがあるようですが、もしかしたらこれはテストではないのかもしれませんね。
アメリカ政府の閉鎖等のイベントとも重なりそうで、非常に恐ろしい時期となりそうです。