最近、友人と話していて思ったことです。
今、私の周りでも新しく家を建てるあるいは新築を買おうとしている人が多いのです。
タイミング的にはやや微妙だとは思いますが、気に入った家が手に入るのであればそれは良いことだとは思います。
家は間違いなく最も高い買い物の部類に入るはずです。
ですが残念ながら、30年以上もローンを払い続けるのにも関わらず、その中身がどうなっているのかについてはよく知らない人が多いのではないかと思います。
例えば、この方は住宅業界の人ですが住宅メーカーの原価率は50%、工務店は25%だと書いています。
もちろんケースバイケースで差はあるでしょうが、それでもこのような価格構成になっている場合がほとんどです。
住宅展示場に行くと、営業マンはすぐに「坪単価〇×円ですよ」などど簡単に言います。
普通は「家はそういうものだ」と思いがちですが、実はそんなことはありません。
木一本、釘一本まで計算していくと、絶対にそんな数字にはならないのです。そんなことをやる人はあまりいないと思いますが、、
以前にある大手住宅メーカーの材木を製材している会社に行ったことがあります。
そこの営業マンは「某住宅メーカーと全く同じものを作って坪単価20万円安くします」と、すぐに言ってきました。
そして別の面もあります。
住宅メーカーは下請けに実際の工事をやらせるわけですが、ほとんどの人は例外なく単価を叩かれていると言います。つまりこういうことです。
住宅メーカーは営業して高く売り、それを下請けに極限まで安く工事させておいしいところを全部持っていくというビジネスモデルということです。
もちろん経費は掛かるとは思いますが、家を買う側からしたら半分も利益になっているとは想像もしないはずです。そしてこれには続きがあります。
たいていの人はローンを30-35年払いますが、払い終わる頃には家は壊れているということです。
そして壊れた頃にはまた新しい家を売るというサイクルが続いていくわけです。
私は海外の不動産を見ているので、30年で壊れる家の為に一生働くことなどは全く信じられません。海外では80-100年は持つ場合がほとんどです。
こういう言い方は大変失礼かもしれませんが、私にはそのように見えます。
私は住宅ローンについては書きませんが、少し考えれば家を建てる出費を大幅に削減することは、意外と簡単であることに気付くと思います。
アプローチの方法ととどこまでやるのかによっては、半分以下になる場合もあるでしょう。
家で書いたように、同じものを建てるにしても住宅メーカーに行くのか、違うところに行くのかで価格がかなり変わります。
もっと安くしたければ、入り口を変えるだけでなくさらに細かく考える必要があります。
できる人はという条件付きの話になりますが、基本全てを分離発注するのが一番安く上げる方法で、反対に丸投げするのが一番割高です。
具体的なことは書きませんが、基本的に考えるところは以下の三つになります。
- 建築士
- 材料の調達
- 工事の施工
例えば、建築士に依頼すると普通は数百万円+工事代金の3-5%位請求されます。
しかし建築士は必要であるとはいえ、そこまで高い仕事をしているということではないはずです。(建築士には申し訳ないですが、住宅メーカーと同じようなことをしている人が多いと思います。)
大きく分けて建築士の仕事は、図面の作成と確認申請そして工事の監理があります。
図面の作成と確認申請だけであれば30-40万円程度でやってくれる人はいるはず。
工事の監理は必要であれば30万円くらいでお願いしてもよいでしょうし、施工業者が費用をあまりとらずにやってくれる場合もあります。
材料の調達はコストをカットする最も大きなところです。
工務店や住宅メーカーは顧客には坪単価で請求するのに対し、仕入れ元には木一本の値段から計算をさせています。
ですから個人相手に販売してくれる仕入れ元を探して、販売をしてもらうのが一番安く上がります。
材木に関していえば、材木屋さんとプレカット工場という二重構造になっています。
プレカットというのは大工さんが早く建てられるように、材木の寸法をあらかじめ計算して、カットしてくれる工場のことです。
建築士の図面に基づきプレカット工場が必要な材木のサイズと量を計算し、資材を材木屋から仕入れるという仕組みになっています。
プレカット工場を探す方法もありますが、個人的には製材所を探す方が良い気がします。
というのは製材所に質の良い材木で家を建てたいというと、良い材木を出してくれるからです。
反対に住宅メーカーだと壁の中でどんな材木を使っているのかは営業マンはよく知らないと思います。
私が知る限り30坪くらいの家であれば、材木を購入してすべてカットしてもらっても300-350万円くらいだとおもいます。
プレカットの動画を張り付けておきます。
話が長くなるのでこれ以上は書きませんが、今から家を建てようとされるのであれば、よくよく考えてみた方が良いのかもしれません。
普通の家でも500万円くらいはすぐに安くなるはずです。
今日はコストカットをする方法の簡単な概要について書きましたが、これをするだけで住宅メーカーよりも良質の家を安く手に入れることができます。
ただこのままだと問題が残ります。
材木屋さんにお願いすれば、住宅メーカーが使用するよりも質の良い材木を提供してもらえますが、それでもそこまで長持ちする家にはならない可能性が高いのです。
日本の建築業界の専門家は、海外のように長持ちする家の作り方を知らないのと、あと建築材料の質があまりよくないのです。
そのため日本で80-100年もつ家を建てるのは至難の業ですが、根性のある人であればできると思います。そのやり方は気が向いたら後で書くかもしれません。
どうやら日本の不動産も下落局面に入り始めたようです。
材木価格が急落しているようなので、これから新築を建てるのはもしかしたらよい考えなのかもしれませんね。