昨日、HBSCのCEOが突然辞任するという発表がありました。
辞任の理由に関しては、プライベートの生活を充実させるといった趣旨の発言をしていますが、本当の理由は一体何なのかについては憶測が飛び交っています。
通常、銀行のトップは問題がない限り辞任しないからです。
ご存じの方も多いと思いますが、HSBCは1865年に香港に設立された金融機関ですが、アヘン戦争時代の銀取引を行う目的で設立されました。
中国に対しアヘンを売り、代金としての銀を受け取るために設立されたわけで、銀取引の中心的な存在です。
そしてここ最近では、唯一といっていいほど銀ショートのデリバティブ増やしている金融機関でした。
今年に入ってから現物の引き渡し量が急増していることが報告されていましたが、今月は93%がHSBCによるものです。
システム的にデリバティブのペーパーシルバーを買ったクライアントは現物引き渡しを要求できるため、価格を抑え込むためにデリバティブを増やせば増やすほど現物が流出してしまうという特性があります。
ここでの疑問はHSBCに銀の現物はあるのでしょうか?
そして巨額のショートで発生している含み損はどれくらいなのでしょうか?
突然のCEO退任は、公表していない何らかの大問題があることを感じさせるものです。
もう少し時間が経たないと分かりませんが、インドと中国による強烈なシルバースクイーズの最初の犠牲者はHSBCなのかもしれません。
HSBCは破綻した恒大集団の大株主であることも忘れてはいけないと思います。
数日前にアメリカ軍関係で、銀の不足が懸念されることを示す数々のデータを掲載しました。
軍関係で銀不足に関するデータはありますが、他の政府関係の資料にも銀不足が登場しています。
2002年6月11日、米上院議会はアメリカンイーグルコイン ブリオンプログラム法を提出しました。
その中では米国の銀備蓄が底を付きかけていることに関する懸念が表明されており、提出した議員は備蓄が完全になくなる前に法案を通したいと発言しました。
議会の記録によると、このペースでいれば"2か月で銀備蓄が底を付く"こと、"DLS保管の銀も無くなりつつあるので、米国鋳造所は別のところから銀を調達する必要がある"とも書かれています。
この法案は2002年6月23日に可決されるわけですが、法案の最初にはこのように書かれています。
「米国財務長長官は銀備蓄が枯渇する中で、コイン鋳造の使用するための銀を一般市場で買い付ける権限を付与する法律」であるとしています。
そしてこのように続いています。
「DLA(国防兵站局)における戦略的かつ重要金属である銀が枯渇する中、
米財務省はアメリカンイーグルシルバーブリオンプログラムを開始するため、異なるところが銀を調達することは必須である」とも書いています。
聞くところによると、米国鋳造所は通常のイーグルコインの販売を三月以降停止しているようです。
見たところ、ホームページでは記念コインを$120-200で販売しています。
一般の人が事態に気付いて殺到する時に、真っ先になくなるのはイーグルコインなのかもしれません。