いつか書こうと思っていた内容です。
私も最初の頃は良く分からずにやってしまった失敗(?)についてです。
それはサイズの大きい銀のインゴットを購入することです。
私は30kgのインゴットは買いませんでしたが、10kgのやつは何個も買ってしまいました。
後から気付いたのですが、経済危機の時に使うことを考えると小さなサイズの方が圧倒的に使い勝手が良いのです。
それからというものは1-10オンスの物を中心に買うようになりました。
少し想像してみると分かるのですが、経済危機の時というのは信頼が極端に損なわれる時で、その時にこそ銀は威力を発揮します。
金融機関同士も信用できないからお金の貸し借りを止めますし、債券も破綻するかもしれないからといって急いで処分したりします。
国家同士の信頼感も失われるため、取引が極端に少なくなります。
特に通貨が破綻するような状況になれば、人々は「本当に何も信じられない」という気持ちになるはずなのです。
治安悪化の懸念という要素もあります。
その時に銀のサイズと製造会社の違いはかなりの違いを生じさせるのです。
例えば、通貨が崩壊する時に、見知らぬ人が"本物の銀"とあなたの不動産を交換してほしいと言ってきたとしましょう。
その人はあなたに1kgの銀のインゴットがあるというと言いますが、あなたは簡単にそれを信用するでしょうか? 恐らくしないでしょう。
まずは現物を見せて欲しいという話になると思いますし、その銀のサイズが大きい場合、鑑定をするために穴を開けたいと思うはずなのです。
相手の方もあなたに対する信頼感が無いため、現物を簡単に見せようとはしないかもしれません。
仮に見せたとしても穴をあけるとロスが出ることや、開けても取引が成立しないかもしれないと考えて拒否するかもしれません。
銀を見せると奪われるかもしれないと考えて、そこまでいかないかもしれないのです。
少し極端だと思われるかもしれませんが、過去にハイパーインフレにより経済が崩壊した国ではこうしたことがごく普通に起こっていたようです。
日本で同じことが起こるのかどうかは分かりませんが、海外では起こりそうです。
こうした状況下では、有名な鋳造所製造の小さなコインの方がはるかに使い勝手が良いものです。
徳力や田中貴金属の1kg-10kgのインゴットを出すのと、アメリカンイーグルやカナディアンメープルコインを出すのでは話が全く違います。
特に海外では五大鋳造所の製品であれば信用は全く違ってくるはずです。
ジャンクシルバーと呼ばれている1965年以前のコインも非常に人気があります。
これらは偽造しにくいことで知られていますし、真贋の判別が比較的容易です。
もちろん有名鋳造所のコインや小さなサイズのインゴットを購入するのは、10kgのインゴットを購入するよりも高くつきます。
特にアメリカンイーグルコインはプレミアムが高いのが特徴です。しかし、通貨が崩壊する時にイーグルコインの信頼性は際立って高いはずです。
1964年よりも前に流通していたジャンクシルバーもその面では最高と言えると思います。(本当はジャンクではない)
イーグルコインとジャンクシルバーの価格が高いというのは、言い換えればそこに価値があると考える人が多くいるということでもあります。
プレミアムをそこまで払えない場合は、フィルハーモニーコインやブリタニアコインを検討すべきだと思います。
こうした理由で可能であれば、有名企業の製造の小さめの銀コインやインゴット(1-10オンス)を購入することをお勧めしています。
やや高いと感じるかもしれませんが、実際に使う時になって威力を発揮します。
そう考えると価格差はあまり気にならないはずです。
そしてリサイクルの銀には絶対に手を出さない方が良いと思います。
本物だとは思いますが、上記の理由で流動性が極端に落ちるはずです。
先日、ロイヤルカナディアンミントの10オンスバーを購入しました。
海外だと280ドルくらいでしたが、日本国内では7万円を超える価格で販売されているのですね。