ヨーロッパでは現在、金融危機が広がっています。
クレディに続き、UBSそして今はドイツ銀行にも問題が飛び火しています。
ドイツ銀行からの預金引き出しが相次いでいるという報告もあります。
金融危機というものは、いったん発生するとなかなか収まらないものなのです。
救済しても資金注入しても、一時的に鎮静化するだけでまたすぐに再燃します。最後には抑えきれなくなります。
アメリカで金融危機は深刻ですが、イエレン財務長官は「銀行は安全だ」とか「我々が生きている間に金融危機は発生しない」といった発言を繰り返しています。
しかし昨晩、財務省とFRBの非公開の緊急会議を開催しました。
SEC、FDICその他金融業界のトップ全員が招集されたようで、対応を検討していると見られます。会議の参加者の顔ぶれからもこの会議の重要性が分かります。
緊急会議の中身に注目が集まりましたが、「金融機関は健全である」という声明を発表しただけでした。
これからやることと言えばもう決まっているようです。ヘリコプターマネーです。
すでにSVB破綻の際に、預金者すべてを救済する方針を打ち出しましたが、これは大きな間違いです。
その後に救済しない可能性も指摘しましたが、結局はすべてを救済する方針のようです。
従来であれば救済するものは救済し、破綻させるものは破綻させる方針でしたが、それができないほどシステムがぜい弱だということです。
どこかを見放した瞬間にあちこちに波及するという懸念があるからでしょう。
現在、人々の預金は大規模金融機関に向かっており、大規模金融機関は次々と地銀を合併していくことになります。
その後に大規模金融機関を救済することになりますが、地銀を救済するのは訳が違います。
そしてこの頃にはアメリカだけではなく、世界中の金融機関の救済に乗り出すことになります。
クレジットフリーズを何とか止めるために巨額の資金注入をしますが、限界があっという間に来るため、電源のコンセントを一気に引き抜くことになります。
しかし数週間でもなんとか引き伸ばしている間に「金融機関は安全だ」という発言を繰り返すのは、今は何とか抑えているうちに逃げろ、というサインでもあります。
一部銀行はストレス受けるが金融システムは健全-イエレン氏ら米当局
これからあっという間に世界中でヘリコプターマネーがやってきます。もう始まっていますが投入量が急増する局面に入りました。
ヨーロッパで展開している金融危機で深刻化する米ドル不足を解決するために巨額のドルを供給するだけでなく、アメリカ国内でもすべてを救済しようとすることでしょう。
流動性を確保するために、ありとあらゆる債券や株式を買いまくることになります。
日本ではゴールデンウィーク中に金融システムが4-5日停止するようですが、悪い予感しかしません。
貴金属と仮想通貨、そして現金を用意し、車にはガソリンを常に満タンにしておいた方がよさそうです。