少し前に元FRBで、今はクレディスイスのアナリストであるゾルタンポッザー氏がクライアント向けに出した情報が話題となっていました。
内容としては、世界はブレトンウッズ体制 3に向かっており、西側諸国はコモデティの問題、そしてインフレの深刻な問題を抱えているという内容です。
ブレトンウッズ体制というのは、ドル金本位制を決めた会議のことです。
ロシアに対する経済制裁を見た、多くの国が外貨準備を米ドルで保有することに不安を覚え、ドルを売って金を買う動きが加速すると述べています。
これと同時に通貨を売って、コモデティを買う動きが本格化するとも述べています。
Zoltan Pozsar’s Bretton Woods III
この動きに実はアメリカ政府はかなり心配をしているようです。
昨日のイエレン米財務長官の会見で、内容は主に中国のロシアに対する対応に関するものでした、懸念を表明しています。
「アメリカは中国と協力して、二つの相反する金融システムが存在しないようにしなければならない」、と述べました。
そしてこうも述べています。
「今は物事を大きく考える時ではないという人もいるが、そうではなく我々が目撃している国際金融の隔たりを埋めるための行動をすべきである」
そしてIMFと銀行をさらに現代化させるべきだとも発言しています。
いよいよグレートリセットをやるということなのかもしれませんが、一発逆転を狙っての博打なのかもしれません。
Yellen to China: Help stop Russia's war in Ukraine or lose standing in the world
ところで今はコモデティはほとんどすべての品目の価格が急騰しています。唯一上がっていないのは銀だけです。
とは言えそれも時間の問題のように思えます。
先日、ニッケルが急騰したためロンドン先物市場が数回にわたり、閉鎖されるという事件が起こりました。今度は亜鉛のようです。
この記事によると、"燃料費高騰のため" 亜鉛が生産停止になっており価格の急騰と現物不足が懸念されています。
Column: Warning bells sound in London Metal Exchange zinc market
しかし少し前の別の報道によると、コモデティ大手のグレンコアが現物の生産を停止したことが報じられていました。
これは現物供給を止めることによるショートスクイーズですね。
Glencore's Portovesme zinc operation to enter care and maintenance
中国も"コロナによるロックダウン"を理由に、金属の海外への輸出をストップしています。
よく知られていることですが、銀は銅、亜鉛等のベースメタルの採掘時に出で来る副産物です。
銀をメインに採掘する会社もありますが、それらの会社の採掘量の60%に相当する量を亜鉛採掘会社は採掘しています。
つまり、亜鉛のスクイーズが起こるということは、同時に銀のショートスクイーズも起こると考えてもよさそうです。