一般的に言って不動産はインフレのヘッジとして有効だと考えられています。
確かに、インフレの環境下での不動産投資はかなり良いと思います。
しかし、いったんハイパーインフレーションになると、事情は異なると思います。
インフレで負債は吹き飛んでしまうから、借りられるだけ借りるべきだという考えもありますが、私そんなにうまくいくとは思っていません。
今回来る経済危機でどうなるのかは、誰にもわからないので、予測するためには過去の歴史を振り返る必要があります。
参考になるのは、1920年代のドイツ ワイマー共和国の例です。
ワイマー共和国のハイパーインフレ時には、安全資産だと考えられていた不動産は大被害をこうむりました。
法律により家賃の値上げは禁止されたのに対し、家のメンテナンス費用は急騰したため、まともにメンテナンスすらできない大家が急増しました。
利回りが出なくなったため、不動産価格は急落し、多くの人が急いで売りに出たため、さらに価格は下落したそうです。
住宅ローンについてはどうなったかというと、国債金利が急上昇したため、住宅金利も強制的に改訂され、国債金利以上の金利が導入されました。
残念ながら負債は免除されず、多くの人が破産に追い込まれました。
あと、これは想像に難くないのですが、ハイパーインフレのため食費、衣服等に収入の大半を支払うことを余儀なくされた人たちは、家賃を滞納することになり、それは大家をさらに苦しめる結果となりました。
将来の予測はなかなか難しいのですが、予測が正しければ今後、生活必需品の価格は高騰し、それに反比例して住宅や車といったものの価格は暴落します。
そのあとは全体的に深刻なデフレが起こることになると思われます。
今回の経済危機がワイマー共和国のようななるのかは、誰にもわかりません。
ただ一つ言えることは、先の読めない世の中で生き残るために、リスクは一つでも減らしておいた方がよいということです。
予測はかなり流動的ですが、予測通りであれば、経済のメルトダウンは10-11月ごろなのかもしれません。
そして来年の春ごろまでには米ドルは基軸通貨の座を失っている可能性が高そうです。
この期間に世界中で使われているペトロダラーが一気に米国内に還流するので、アメリカ国内ではハイパーインフレになる可能性が高そうです。
今年の冬は世界中のあちこちで大混乱が起こりますが、その時こそ買い始めるチャンスなのかもしれません。
よく言われるように「ストリートに血が流れている時こそ、買い時だ。たとえその血が自分の血であったとしても」というものです。