日本ではG7の報道ばかりが世間を賑わせていますが、もうアメリカのデフォルトは日に日に近づいています。
昨日一日で財務省の預金は110億ドル減少し、残りは570億ドルになりました。
そんな中、共和党議員は交渉をやめたという報道も流れており、このまま時間切れになると思われます。
海外ではアセアンの10か国が国際取引でのドル決済を停止すると発表しており、ブリックス加盟希望国を中心に急速なドル離れが進んでいます。
帝国の終わりは日に日に近づいています。
1990年代初頭に起こったソビエト連邦の崩壊と同じことが、今アメリカで起こっているわけですが、債務問題を先延ばしにできるかどうかにかかわりなく、経済の崩壊は避けられません。
バンクオブアメリカが危ないという話もあるようですし、どこから火が噴くのかは分かりませんね。
できるだけ被害を受けない体制を整えつつ、遠くから崩壊を見守りたいものです。
ソビエト連邦が崩壊した際には、通貨と経済が崩壊しほとんどの人は極度の貧困で苦しみました。
そんな中で一握りの人は政府の資産を二束三文で買い叩いたり、元の立場を利用して私物化することに成功し億万長者になりました。
全く同じことが西側諸国で起こるとは限りませんが、これに近い状況があちこちで起こると思われます。
経済崩壊後にこれまでに買い進めてきた貴金属を売って、不動産を入手したいと考えている人は多いと思います。
影響を与えると思われる要素について、推測ではありますがいくつか取り上げたいと思います。
私が知る限り大恐慌の時に、わずかな量の金や銀で高級車や不動産その他の資産を手に入れたという話はドイツとアメリカに集中しています。
ドイツとアメリカでは経済が特に悪化していたという事情に加え、金と銀がお金として広く認識されていたという要因が大きいものと思われます。
経済が崩壊時に逃避先として貴金属に逃げたいという強い衝動に人々が駆られるのは、それまでの背景が関係しています。
そしてドイツは金を推奨するオーストリア経済学が広く知られていたというのも理由の一つだと思います。
今、世界中で貴金属に逃避する動きは続いていますが、恐らく国によってもかなり差があるでしょうし、また年齢によっても違いがあるはずです。
若い人よりも年配者の方が貴金属を買うことに抵抗が少ないと思われます。
今アメリカでジャンクシルバーが在庫切れで、価格が高騰しているという話は以前に書きました。
ジャンクシルバーというのは1965年よりも前に鋳造されたアメリカのコインのことで、銀が90%含まれています。
高齢者になりますがいまだに本物のお金と言えば、ジャンクシルバーだと知っている人がアメリカでは多いということになります。
私はアメリカに行くたびにコインショップに立ち寄りますが、どこの都市に行ってもコインショップがあり人々は売買をしています。
アメリカで広く根付いているこの感覚は経済が崩壊する時に、人々が不動産と引き換えに貴金属を手に入れたいと思うかどうかに大きく影響していると思います。
そしてこの認識は、今アメリカの各州で金銀本位制を推進する動きが進んでいることとも大きく関係しているはずです。
日本ではどうでしょうか? 個人的には欧米と比較するとこの認識はかなり薄いように感じます。
あと不動産取引も国によっても差がかなりあります。
私はアメリカばかりを見ているのですが、お国柄不動産取引は日本とは異なり非常に活発です。
つまり経済崩壊時にアメリカでは、貴金属を使っての不動産取引が成立しやすいということになります。もしかしたらオーストラリアもそうかもしれません。
文化的な背景と個人の負債の多さも、不動産取引に影響を大きく与えるはずです。
今年は西側諸国で経済が大きく崩壊することになりますが、不動産をどこで入手するのかを考える際に上の二つの要素を考えた方が良いと思います。
選択肢は日本だけに限定せずに、様々な可能性を模索するのは賢明だと思います。