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ファーストリパブリック銀行が最後の破綻でないとすれば、、、

今週末はファーストリパブリック銀行(FR)の破綻の動向に注目が集まっています。

結局のところ、問題となっているのは金融機関の信用創造のシステムで、実際の預金額の10倍以上に信用を膨張させ続けているということです。

(正確には10倍に膨張させたものを、金融機関をまたいでさらに10倍、そしてそこからさらに10倍といった仕方で膨張させています。)

ですから預金引き出しには、どうやっても耐えられないという構造的な欠陥があります。

これはどこの金融機関も同じで、JPモルガンだから大丈夫だというわけではありません。

 

預金引き出しが止まらないFRですが、報道によるとFDICが"救済する"とか、JPモルガンやその他の金融機関が"買収する"とした報道がなされています。

しかし肝心のFDICも金融機関も公式には何の発表もしていません。

その報道自体もよくよく読んでみると、非常に歯切れが悪い言い方をしています。

例えば、当局者が金融機関に"買収の打診"をしたと報じたかと思えば、FDICが救済することになりそうだ、とか引き受けの準備を進めているという感じです。

あとJPモルガンやバンクオブアメリカが買収に興味を示していると伝えられている、という報道もあります。

要するに、今週末のパニックはどうしても避けたいということです。

数週間前に大規模金融機関はFRに巨額の融資をしたばかりで、買いたければその時に買っているはずです。

本音としては買いたくないのですが、助けなければ今度は自分たちがトラブルになることを知っています。FDICも同様です。

買ってもトラブル、買わなくてもトラブルというわけです。

もしかしたら何とか落ち着かせている間に、FR関連の債権を急いで処分している可能性もありそうです。

少し前のアメリカ議会でのイエレン財務長官の答弁の中にヒントがあります。

ここで議員がイエレン長官に「金融機関はその規模にかかわりなくSVBと同様の共済措置を受ける対象となるのか?」そして「救済は大規模金融機関だけに適用されるのか?」という質問をしています。(つまり預金額にかかわりなく全員が救済されるのかという質問)

これは非常にトリッキーな質問で、もし彼女は違うと答えれば、バンクランは一気に激化することになり、反対に救済すると答えれば金融システムの根幹が覆されることになります。

返答に詰まった後に、イエレン長官は「FDICとFRB理事たちの大半が合意すれば救済する」と述べています。

しかしその後に問い詰められ、結局中小金融機関の救済はできない可能性を認めされられています。

でも金融機関のシステムは健全で、預金者たちはシステムに信頼を置くことができるとしています。(全く意味不明)

そしてこの後に、イエレン議長は別の議員にやり込められることになります。

「25万ドル以上の預金者救済をするのは、議会での審議が必要なのではないか」という問いに対して「その件については全く検討もしたことがない」という嘘をついています。

この件については、かなり前から検討事項として検討に検討を重ねてきたはずです。→ つまり救済法案は議会を通過しないことを意識している。

そして「FDICとFRBそして財務長官が必要であると考えれば、大統領に相談するが、ケースバイケースである」としています。

 

結局のところ、救済する権限もないしその能力もないから祈ることしかできないということです。

17兆ドルも印刷することなど、一存で決められるわけがないのです。

ちなみにアメリカの金融機関の預金額は17兆ドルといわれていますが、それを保証するFDICには1000億ドルしかありません。

すべてを救済するということは、政府の債務を31兆ドルから48兆ドルにすることを意味しています。

(ちなみに共和党が提案しているのは1.5兆ドルの債務引き上げです。)

今のイエレン財務長官は「救済する」「買収する」可能性を匂わせることで、人々が安心して預金引き出しが止まることを祈るしかない状況です。

あるいはできないことを意識しつつも、どこかの金融機関が買収してくれることをも願っていることでしょう。

もしかして突然、辞任する可能性をも探っているかもしれません。

そして今急浮上しているのはザイオンズバンクの破綻の噂です。次は恐らくこの金融機関だと思われますが、同時に格下げされた金融機関が10もあります。

金融機関にすべてを買収していく余力はあるのでしょうか?

 

ファーストリパブリック銀行は全米第15位の規模の金融機関です。これより小さなところは次々と巻き込まれていくことになります。

最終的な解決策は、FRBによるすべての救済つまり17兆ドルの金融緩和をすることしかありません。そしてそれは米ドルのハイパーインフレを意味しています。

そして恐らく議会の承認を得ることは不可能でしょう。

債務上限問題と同じタイミングで、こちらからも目が離せません。

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