突き詰めると経済システムの根幹は国債です。
株式も通貨も国債のデリバティブです。ですから国債市場が不安定になると、通貨危機が発生したり株式が暴落します。
ウォールストリートのトレーダーたちは、常に国債の動きに注目しています。
非常に重要な出来事なのに、報道がほとんどないので再度、書きます。
円安のことばかりが報道されていますが、事態はもっと深刻だと思います。
今回の円安というのは、病気の一つの症状のようなもので、介入したところで一時的に症状は治まるかもしれませんが、問題となっている病気は解決しません。
Trading Drought Worsens in Japan’s Broken Bond Market
今、日本国債の10年物の取引が4日間続けて不成立という異常な事態が発生しています。
価格は下がったけれど、金利が上がったけれどそれでも買い手は見つかるというのが普通です。
しかし、日本の場合はそれを通り越して、買い手は誰もおらず市場が忽然と消えてしまった、わけです。
海外では金利が急騰して、中央銀行が何とかして押さえ込もうとしている段階なのですが、日本だけはそれをはるかに通り越してしまったわけです。
今可能性があるのは日銀がすべてを買い上げるという最悪の事態が起こっています。
もうこんなものは誰も欲しくないことで、イールドカーブコントロールの事実上の破綻といってもよさそうです。
そして先月のデータでは外国人の日本国債売りは最大を記録しています。
黒田さんが突然、退任を決めたのはこれが原因かもしれません。
投資家は、日本の10年後が非常に暗いか、もしかしたら存在すら危ういと考えているということになります。
ただ国債の問題は日本だけの話でありません。
昨日の話の続きです。
イングランド銀行の総裁は年金基金に緩和を金曜日でやめるので、それまでに問題を解決するようにと語った件です。
しかし昨日一日だけでも、イングランド銀行は国債買い入れをやめるという報道があるかと思えば、逆に買い入れを延長するという報道が出たりしています。
話を総合すると、仲間割れをしているかパニックが起こっていると考えた方がよさそうです。
年金基金が資産処分をすれば、その中には英国債も大量にあるはずし、クレディとドイツ銀行の債券も大量のあるはずです。
直前で方向転換をする可能性も十分ありそうですが、方向転換しなければ世界中がそのまま巻き込まれることになります。
債務をベースにした金融システムはいよいよ最終局に突入しています。逃げ遅れないようにしていただきたいと思います。
終わりはもうすぐそこです。