ロシアへの経済制裁の話はメディアで報道されていますが、ロシア側の対応についてはあまり語られていません。
しかし、ロシアは今は非常に高度でしかも破壊力が強力な経済戦争を仕掛けています。
ブログでは何度か書いていますが、金融システムの最大の弱点は金と銀の現物不足と価格上昇です。
このマーケットは非常に小さいので、それほど大きくないヘッジファンドが買い占めを図れば、一気に金融システム全体が崩壊します。
過去にはハント兄弟が買い占めを図り、アメリカ政府から制裁を受けました。ハント兄弟は原油のビジネスをしていましたが、それほど大規模とは言えないレベルでしたが、それでも銀の市場にとってはかなりの脅威となりました。
しかし、今のロシアはハント兄弟とは規模がまったく異なります。経済規模もそうですし、政治力も軍事力も異なります。
つまりロシアがやろうと思えば、実に簡単に金融システムの破壊とついでにグレートリセットの破壊まで行えます。
そしてこれは今出始めている話ですが、ロシアは原油販売の決済支払い方法を金の現物にするという噂があります。
ドルが使えないわけですから、代わりに何かを使わなければならないのですが、それを金の現物にする可能性が示唆されています。
下のリンクは、エルドカン大統領がプーチン大統領に、取引をルーブル、人民元あるいは金で行うことを勧めたという報道です。
Trade can be conducted in ruble, yuan, gold: Erdoğan tells Putin
しかし問題はここからです。
どうやらロシアは1000バレルの原油を金1ozという激安で売る可能性があるようです。(某専門家による未確認のシナリオ)
つまり今の金の価格からすると、1バレルたったの$2という大バーゲンです。今の価格は1バレル=$130くらいです。
つまり金を購入して、ロシアから原油を購入すれば多額の利益が得られるということで、金の現物に資金が一気に流入し、結果としてコメックスは一気に閉鎖な追い込まれます。
これをすれば金本位制を導入するロシアには金が大量に集まると同時に、金価格は上昇し、ロシア経済にとってはいいことづくめです。
反対に、アメリカドルは終わりを迎えます。
人々はドルを売って金を買うため、ハイパーインフレは止まらなくなりドル体制は崩壊します。
同時に貴金属のショートポジションにより価格操作をしている金融機関すべても道連れになります。
人々の注意が貴金属に向かえば、CBDCを基盤とするグレートリセットは崩壊します。
ですからロシアが原油の決済代金の支払い手段に何を選ぶのかは、非常に重要だということになります。
あとロシアは原油算出にかかるコストが低い国として知られており、逆にアメリカとカナダは高コストの国として知られています。
ロシアは低価格で原油を販売してもある程度持ちこたえられますが、アメリカはそうではありません。
つまりこれはアメリカ国内での燃料不足によるエネルギー価格の高騰を引き起こし、ひいてはハイパーインフレにつながると考えられています。
原油関連ですが、プーチンは中東諸国への手回しを早々と済ませたようです。
反対にロシアへの経済制裁を導入した結果として、ガソリン代の高騰とインフレを引き起こし、アメリカ国民を痛めつけているバイデンですが、何とかして原油の調達先を見つけようとしているようです。
ベネゼエラとは話したようですが、中東諸国からは電話で話をすることすら断られているようです。
中東諸国の王子たちはバイデンとの会談を断った後に、プーチン大統領と電話会談をしたとも伝えられています。
もうドルと引き換えに原油を売りたくないという意思の表れなのかもしれませんし、ロシアについた方が得という政治的判断なのかもしれません。
いずれにしてもペトロダラーはもう終わりです。
メディアがこぞってプーチンを悪者扱いするのは、それだけ追い込まれているということの裏返しでもあると思います。
ロシアがこれをやるのかどうかには要注目です。