最近、トランプ大統領の行動がTACO(Trump Always Chichens Out=トランプはいつも怖気づく)と呼ばれています。
派手な関税攻撃を仕掛けているように見えますが、直前延期や突然の方向転換が相次いでいます。
通貨戦争はBRICSが優位に立っていますが、ドルを追い込むために大きな一手を打ちました。
BRICSは脱米ドルの動きを加速させると同時に、特に中国やインドが大量の貴金属を購入していることが何度も報じられています。
BRICSは西側の金融システムとドル破壊工作を戦略的に進めています。
新たな動きは、特に現物不足が深刻化している銀にとっては致命的なものとなり得ます。
BRICSがLBMA(ロンドン貴金属協会)から脱退することが判明しました。
LBMAからの脱退の目的に複数の可能性が考えられます。
まずは西側諸国から完全に独立した経済システム構築のためで、すでに中国、ロシア、インドはそれぞれ貴金属の取引所を開設しています。
西側諸国に対して、貴金属の供給を行わないという意思表示です。
例えば、経済制裁の中でもロシアはLBMAに銅を供給していますが、供給が停止することになります。
少し前にトランプ政権は銅製品に対して50%の関税を課すと表明しましたが、チリやペルーといった銅産出国がBRICS加盟の動きを見せていることに対する対応だと思われます。
残念ながらトランプ政権の銅に対する関税政策は、不発に終わると思われます。
供給が停止するのは銅だけではありません。
金も銀も供給が停止する訳ですが、LBMAの金不足は数か月前に問題となりました。
銀についてはさらに大きな影響が見込まれます。
LBMAの銀供給元の大半はBRICS加盟国ですが、例えばメキシコだけでも28%を供給しています。
LBMAは2022年のデータを公表していますが、中国、メキシコ、ペルー、チリ、ボリビア、ロシアが銀供給を行っていますが、全てBRICS加盟国です。
銀は銅採掘の副産品なので、産出国が重複しています。
今月は取引所では銀現物の引き渡しが行われていますが、昨日だけでLBMAは1000契約分の引き渡しが行われました。
またたった一時間で、世界産出量の57%に及ぶ額のペーパーシルバーの取引が行われていることも判明しています。
問題は、新たな契約で大量の現物引き渡しを要求される可能性が高いことです。
噂では、ショートを大量に抱えているウェルズファーゴの引き渡し能力の深刻化を懸念する声が上がっています。
問題は一つの金融機関だけではなく、ウェルズファーゴが逝けば世界中の全て金融機関に飛び火します。
少し前から銀リースレートが高騰していると報じられていましたが、つい先ほどSLVではリース可能な株がついにゼロになったようです。
銀だけでなく、金価格操作に必要なリース用現物も引き上げていることが報告されています。
何が言いたいかというと、BRICSは米ドル覇権に終止符を打つために大規模な貴金属スクイーズを仕掛けてきたということです。
貴金属の大量のショートポジションを抱えているアメリカの金融機関は、BRICSからの総攻撃に直面しています。
金と銀は本格的な高騰局面に入りつつあります。価格が高騰するだけでなく、入手不可能になる日が迫っています。
銀を持っていない知人がいれば、少しだけでも買うことを勧めたいものですね。