今週の注目はFOMCです。
0.75%の利上げが見込まれていますが、主流メディアも中央銀行も利上げは"インフレと戦うため"という名目を掲げています。
しかしこれはメディアの嘘の一つで、利上げをしてもインフレは全く収まりません。
インフレとはマネーサプライを増加させることで、本当にインフレを抑えたければ、民間金融機関の信用創造をやめさせれば良いだけの話です。
世界中の中央銀行の目的は意図的に通貨の購買力を破壊しつつ、利上げをすることで金融システムを破壊することです。
なぜ利上げが金融システムの破壊につながるのかという点ですが、それはデリバティブと関係があります。
デリバティブは金融システムの大量破壊兵器と呼ばれています。
イギリスの年金基金のトラブルもクレディスイスのトラブルもデリバティブの問題です。
今推定で世界中には2千兆ドルものデリバティブがあるといわれています。(2の後に0が15個付きます。)
このすべては一定の金利を前提にして成り立っています。
金利が上がるということはすでに脆弱なバランスの上に成り立っているデリバティブを崩壊させることにつながります。
今でも起こりつつありますが、各国の中央銀行はデリバティブすべてを買い取ることにより、崩壊を防ごうとすることになります。
すでにシステムの救済のために、各国の中央銀行は巨額の損失を出しています。
現在、世界中の中央銀行が保有している金の量は、2兆ドル分と言われています。
つまりざっくりと言えば、不良債権すべてを買い受けることになれば、2兆ドルの金で2000兆ドルのデリバティブを支えるという計算になります。
割合にすると0.1%しか本物の資産がないことになります。1000倍のレバレッジで負債を抱え込もうとしていることになります。
仮に金の価格を強引に押し上げて、100倍つまり1オンス=160,000ドルに値上げしたとしても、資産の割合は10%にしかならず安定的に運営できるものとはなりません。
これから中央銀行は天文学的な通貨を発行し、問題となっているデリバティブを買い上げて、中央銀行のバランスシートに負債として載せることになります。
資産がないのに負債だけが増えていく中、金価格の改定に乗り出すか一気に破綻させてリセットを試みるのかもしれません。
あるスイスのインベストメントバンカーによると、ロシアが保有する金は公式では2000トンとなっているものの、実際には12000トン保有しており、近々公表する可能性があるそうです。
中国も公表しているよりも大幅に多い金を保有しているそうです。
(アメリカ政府も大量の金を保有していることになっていますが、かなりの長期間監査がなされていないことから、無くなっていると推測されています。)
主流メディアがロシアと中国が金に裏打ちされた通貨を発表すると報じていますが、経済が混乱すると行きつくところはいつの時代でも同じということのようですね。