マインド

国有化というリスク

数日前にアメリカでは軽油の在庫が11/10前後に底をつくという話について書きました。

しかし、どうやらすでに軽油不足は始まっているようで、アメリカでは軽油の給油ができないという話があちこちで聞かれるようになっています。

すでにアメリカの東海岸ではガソリンスタンドへの軽油の納入が難しくなっていることが報道されています。

そして軽油がないのはアメリカだけではありません。ヨーロッパでもないようです。

Parts of Europe Are Starting to Run Out of Diesel

 

そして何が起こっているのかを知っている人にとっては別に不思議なことではありませんが、世界中のあちこちで製油所では爆発が相次いでいるようです。

ここ数日の間だけでも、台湾とマレーシアで製油所での爆発が報道されています。

Explosion at Petronas oil refinery in Johor after fire breaks out, no injuries reported

Large explosion in Taiwan's CPC Dalin oil refinery, no injuries

そしてアメリカの製油所も"壊滅的な爆発の危機"にあるという報道がなされています。犯罪予告にしか聞こえません。

Idled St. Croix refinery risks explosion, 'catastrophic' releases: EPA

軽油がなければ、トラックは動きませんので深刻な物不足が懸念されますし、暖房器具が使えない地域もあります。

それ以外にも軽油をエネルギー源として使用している産業すべては止まります。

そしてなくなると、価格は一気に高騰することになります。

今のところは海外の話ですが、こういう話を聞くと食糧と燃料の備蓄が必要だと痛感させられます。

海外でよく言われる話ですが、食糧が無くなると72時間で無政府状態になると言われています。

まだあまり気にしていない人も多いと思いますが、スーパーから食べ物が消える時に、状況は一気に深刻化するのかもしれません。

 

ところでモノが無くなると必ずと言って起こる動きがあります。それは価格が高騰した後に、それを国有化しようとする動きです。

すでにアメリカでは民主党が原油とガス産業の国有化を推し進めようとしているとのこと。

国有化に先立ち、石油会社がエネルギー危機のさなか巨額の利益を得ているとして「非難の声が上がっている」そうです。

この産業に投資している人たちは大損をする可能性があります。

Top Dems Urge Biden To Nationalize Oil & Gas Industry

エクソンとシェブロン、計310億ドルの利益計上-エネルギー危機の中

 

国有化というのは、懸念すべきリスクの一つになりつつありますが、これは貴金属に関しても言えると思います。

恐らく鉱山はあちこちで国有化の動きが広がると思われますので、株式は売れるうちに処分した方が安全かもしれません。

 

銀の現物の没収を懸念する声も上がり始めています。アメリカでは米国鋳造所の生産量が激減しているのは、没収を視野に入れていると考える専門家もします。

過去の例を考えると、アメリカではアンティークコインは没収の対象外でした。

現時点では一部の専門家は、アメリカ国内では米国鋳造所の製品は没収の対象外になる可能性を指摘しています。

アメリカンイーグルコインの価格が高騰しているのは、この理由が背後にあるからかもしれません。

米国鋳造所製造以外のコインとバーは没収の対象となると考えているようです。

他国の場合でも同様で、政府の鋳造所で製造されたものを没収するというのはハードルが高いという観測が以前からあります。

つまりオーストラリアではカンガルーコイン、南アフリカではクルーガーランドコインといったものは対象外になる可能性が高いというわけです。

もう一つは、没収すると言っても自発的に手放す人はほとんどいないと思われるので、高値で買い取るという申し出をする可能性です。

 

別の可能性としては銀価格高騰がインフレを悪化させているというプロパガンダがをメディアが拡散し、銀投資家たちを"欲深い悪者"として悪印象を植え付けるというものです。

銀が足りないので太陽光パネルや電気自動車が生産できず、環境問題悪化の原因は銀投資家たちにあるという、中傷キャンペーンを繰り広げる可能性も指摘されています。今、石油業界で起こっているのと同じことです。

 

ですから我々が検討すべきなのは、政府が高値で買い取ると言い出した時に、あるいは没収すると言い出した時にどのように対応すべきかという点でしょう。

銀行の金庫や貴金属会社の保管倉庫に入れておくと、どうなるのかは容易に想像できると思います。

ちなみに以前にアメリカで政府が金コインを買い取った時に、応じない人がたくさんいました。彼らはその後に隠した金を使い、資産を大量に購入することができたようです。

 

個人的には今は崩壊のスビートが早すぎて、政府が買い取りや没収をすると言い出したとしても、長期間は続かないのではないかと思っています。

-マインド
-, , , , , , , ,

© 2024 歴史上最大の経済危機を切り抜けよう!