最近、ルーマニアで1990年代にハイパーインフレを経験した人の話を聞きました。
実際にハイパーインフレを経験した人は日本ではいないと思います。
ですから経験者の話はかなり説得力があるものでした。
東ヨーロッパに行ったことがある人ならば、日本では見かけないような習慣がいまだにあるのかの意味がよくわかるのではないかと思います。
ちなみに、ルーマニアのインフレデータがありました。
彼が話していたのは、何よりも必要なのは食糧の備蓄、そしてもしお金があるのならば土地を買うことはとても役に立つと話していました。
ルーマニアでは、土地や郊外に別荘を持っていた人たちは食べるのに困らなかったそうです。
あと輸入品が入ってこなくなったため、ルーマニアの場合では衣料品が入手困難になったそうです。
国によって輸入に頼っている品物は違うと思いますが、あらかじめ輸入品を入手しておくことは大切だそうです。
通貨に関して言えば、ルーマニアではドイツマルクは信頼性が高いので、ルーマニアの通貨ではモノの売買がしにくくなったそうです。
誰もルーマニアの通貨を欲しがらなくなったそうです。
ルーマニアの地方によっては、いまだに不動産の売買にユーロが使われていることがあるそうです。
これはロシアでも同じですね。 人々はいまだにお金はできるだけドルがユーロで持っていて、その都度、ルーブルに換金しています。
自国の通貨だけでなく、外国の通貨の現金を用意しておくことは、通常であれば良い考えなのかもしれません。ただ今回はどうでしょうかね?
ハイパーインフレにより自国の通貨に対する信頼がなくなる時に役立つのは、スキルの交換との話していました。
例えば、一日畑仕事を手伝うから、代わりに鶏を一匹ください、といったやり取りが良くなされたようです。
バーター取引なので、人と人との間の信頼関係がないと成り立たないとも話していました。
同時に特殊なスキルがある人は、他国に逃れることができたそうです。
こういう時には金と銀は役に立つわけですが、金と銀は非常に貴重なので、価値の低いものを最初に使って物々交換をしたそうです。
もし人が金や銀と何かを交換したいと言えば、もうその人は他に何も持っていないことを意味したそうです。
人は銀と金を交換したがらなかったことに加え、すべては交渉により決まったので、金と銀の価格をつけることはできなかったそうです。
今であればモノの価格というのは大体一定していますが、ハイパーインフレ時はモノの価格がよくわからなくなるそうです。
彼の親族の一人は、遺産相続で家3件相当分のお金をもらい、それを銀行口座に入れていたそうです。
しかし、ハイパーインフレが起こり、同時に預金封鎖になり、お金を引き出せなくなったそうです。
少ししてお金を引き出せるようになりましたが、その時にはその預金は白黒のテレビを買えるくらいの価値しかなかったそうです。
ハイパーインフレはそれくらい急速に進むという良い例ですね。
彼は結論として、金と銀を用意しておくこと。そしてできれば土地を購入しておくことを勧めていました。
金と銀は儲かるかどうかではなく、ハイパーインフレ時の保険として非常に重要だということです。
貴金属の専門家によって、金と銀の価格予測は異なります。
金は$15000になるという人もいれば、$100000になるという人もいます。
銀に関しては、$100という予測もあれば、$1000という人もいます。
しかし、実際にハイパーインフレーションが起こると、金と銀の本当の価格は誰にもわからなくなります。
通貨の価値が0であれば、銀の価格が$1000であろうが、$10000であろうが大差はないはずだからです。
例えで言えば、子供銀行のおもちゃのお金と金を交換してくれないかと、言われて合意する人がいないのとほぼ同じ状況になると考えればよいかと思います。
金1ozを$100000で買うと言われても、それがいい価格かどうかさえ分からないのです。
彼の家族はインフレ時に幸運にも金を手に入れ、それで郊外に土地付きの別荘を手に入れることができたと話していました。
私はいつも思うのですが、ルーマニアもそうですが、旧ソ連圏の国々の人たちは、共産主義下での苦しい生活をよく覚えているので、グローバリストたちのアジェンダを受け入れることは絶対にないと思います。
日本はこのままいくと事実上の共産化に向かうと思います。ですから移動先の候補として、旧ソ連圏の国々は外せないと思うのです。