あまり知られていないことですが、日本では戦後に預金封鎖を行った過去があります。
同じことは起こらないと勝手に思い込んでいる人も多いですが、その可能性が全くないわけではありません。
1990年代の日本でも「資産課税」が検討されていたそうです。
大前研一氏によると、1990年代の住専危機の際に、当時の大蔵省が「新円切り替え」による「資産課税」を実施する計画があったとのことです。
幸い、旧紙幣100万円が新紙幣80万円にされる「新円切り替え」は実施されませんでした。ATMメーカーから事前に情報が漏れてしまったため、計画は未遂で終わったとのことです。
この時は旧紙幣で100万円を銀行に預けていた人が、新紙幣では80万円にする計画だったようです。国民の資産から2割を巻き上げることで財政赤字を賄うという計算です。
ATMの設計技術者がおかしな仕様に気づき友人に口外してしまい、官僚から相談を受けた議員などが地元で話をして噂が広まり、タンス預金をする人が急増したと言われています。
今後、国債市場が動揺するようなことがあれば、財務省は必ずこの「禁じ手」を使う以外に方法はないと言われています。
公的債務が国内総生産(GDP)の2倍以上になった日本では、どんなに緊縮財政をとっても、見せかけの景気刺激策をとっても、消費税を2倍にしても、その債務を返済することは難しいのが現状です。
日本政府の債務残高対GDP比が100%に達したのが1996年です。その後、債務は複利で増え続け、2016年にはGDP比で250%に達してしまいました。
複利レバレッジのせいで、急速に債務が膨らんでいます。つまり破産間近といっても間違いではありません。
いつ「その日」が来るのかはわかりませんが、いつかは来ると思います。
突然、預金封鎖になると当然、困るので今から対策を講じておくのは賢明です。想定外を想定内にしておくのです。
以下は対策のいくつかです。
- 資産をあらかじめ外貨に分散しておく。
- 現金資産の比率を下げ、株式、ゴールド、不動産などに変える。(日本株や日本不動産の場合は、やはり影響を受けます)
- 手元に現金を用意しておく。
預金封鎖は「不意打ち」でなければ効果がないため、政府側は突如、預金封鎖を宣言します。この不意打ちを防ぐには、今から危機を想定しておくことが大切なのです。