トランプ政権が世界中の国に対して、高関税を発動しました。
日本では高関税に対応するために、金融緩和を強いられることはほぼ確実です。
日本では交渉が下手だと言って石破政権を非難する声が相次いでいますが、個人的にはトランプ政権は最初から強権的に関税発動をするつもりだったと思います。
もしかしたら、今アメリカで進んでいるステーブルコインリリースと関係があるのかも知れません。
数週間前にアメリカではジーニアス法案が可決しました。
現在はステーブル法案が審議されていますが、本案可決によりアメリカ政府は金融機関に対して、ステーブルコイン発行許可を与えることが可能になります。
タイムラインですが、今年の9月末までの成立を目指しているようです。
すでにあちこちで説明されているように、ステーブルコインはFRBによる発行ではありません。
とは言えFRBの株主となっている金融機関により発行されることになりますので、見た目は異なりますが中身は同じだと考えるべきです。
一般の金融機関が発行することにより、数々の法的規制や米議会による規制監視を大幅に軽減できるという思惑もあるようです。
いうまでもありませんが、ステーブルコインの中身は、名称は異なるものの中味はCBDCです。
アメリカが計画しているのは、発行するステーブルコインをアメリカ国内だけでなく、世界中で利用可能なモバイルペイメントシステムとして売り出すことです。
つまり他の通貨が流通している他国においても、ステーブルコインという名のドルを流通させようというわけです。
人々にステーブルコインを流通させるために、大量のクレジットを提供されます。
つまり一般の個人や事業者にローンを提供することにより、世界中の人々がドルステーブルコインを使用するようになります。
米ドルと米国債の新たな市場開拓を行うことで、需要を拡大することを目的としています。
ステーブルコインの本丸となると目されているサークル社は、上場後に株式が750%上昇しました。
世界中で携帯電話さえ持っていればドルステーブルコインを使用できるだけでなく、簡単にローンも申し込めるようになります。
自国通貨の使用割合は下がり、代わりにドルを支払い手段として広く使用されるようになります。
ドルと米国債の需要は増大しますが、反対にドル以外の通貨と国債がどうなるのかは容易に想像できます。
同時に世界中に向かって際限ない金融緩和を行うわけですから、これまでとは比較にならないレベルのインフレが引き起こされることも想像できます。
つまりドルは最終的にハイパーインフレ化するわけですが、その前に日本円とユーロ等の通貨の暴落が顕著となると思われます。
シティグループ、JPモルガン、バンク オブ ニューヨークなどがステーブルコインを発行する大元となります。
これらの金融機関は世界中のユーザーに対して、巨額のステーブルコインを発行することになるわけです。
ジーニアス法案は、金融機関にとっては非常にメリットが多く、例えば預金保険は不要となっています。
それだけでなく、ステーブルコイン発行に際しての担保もされない公算が大です。
アメリカのステーブルコイン発行により、ドルと米国債の市場の非常に大きな拡大が見込まれますが、これは同時にインフレの急激な悪化をも意味しています。
トランプ政権は同時にリアルIDの導入を必死に目論んでいますので、絶望的なように思えます。
ただFRB内部や金融機関からも人々を抜け出せない隷属状態に陥れることに懸念を示すことも多く、反対意見が相次いでおり今後は難航すると考えられています。
例えばイングランド銀行総裁はドルステーブルコインにより、英ポンドが使用されなくなるだけでなく、中央銀行が危機に晒されると明言しています。
また各国の中央銀行が関係するBISも、ドルステーブルコインに反対を表明しています。
世界中の通貨を破壊してドルだけを流通させるという計画は、利害関係が絡んでいる以上、かなりの無理筋なのかも知れませんね。
BIS、ステーブルコインは「通貨として失格」|役割の厳格な制限を要求
アメリカが推進しているステーブルコイン計画について知ると、トランプ政権が乱暴な交渉の末に強権的な関税を導入している理由がおぼろげなく見えてくる気がします。
そうせざるを得ないほど、追い込まれていると考えるべきなのでしょう。
また同時に、破壊対象の通貨を使用する国に住んでいるという現実も直視すべきだと思います。