毎日のようにDOGEが数々の不正を発見しているわけですが、財務省を巻き込んだ大きな動きが起こりつつあります。
DOGEがあちこちで不正を見つけたという話ばかりが先行していますが、大切なのは違う点かもしれません。
米財務省の中部に不正があったという趣旨の発言をトランプ大統領が行っています。
FTが具体的な発言を記事にしていますが、このように書いています。
「今読んでいるところだが、米国債に問題があるかもしれない。」
「我々が計算に入れなくても良いかもしれないので、これは非常に興味深い問題だ。」
「そのため、我々の債務は思っていたよりも少ないかもしれない」と発言しています。
つまり何が言いたいのかというと、米財務省は「簿外で」大量の米国債を発行していた。
簿外の米国債は正規ではないので、アメリカ政府はデフォルトしても構わないとでも言いたいのでしょう。
FTは結論として、このように述べています。
アメリカ政府は大量の国債デフォルトはもちろんのこと、一部でもデフォルトすれば、そして非常に強烈に経済危機を引き起こすことになること。
そして関税引き上げ問題などは取りに足らない問題となりかねないと、警告を与えています。
世界経済の屋台骨である米国債はデフォルト寸前というか、視野に入っていることを、我々は良く認識すべきです。
そしてトランプ大統領はなぜ米国債のデフォルトを匂わせたのか、その真の意図を考えるべきでしょう。
Trump’s ‘interesting problem’ with Treasuries
関連する点があります。
トランプ政権の経済政策の中心のいると思われるジュディシェルトンは、金本位の米国債を提案していますが、内容が判明しました。
ただ金本位制の米国債といえばよく聞こえますが、中身はそれほど魅力的ではありません。
50年満期のゼロクーポン債で、償還時には額面の米ドルで償還するというものです。
また買い手が希望すれば、予め規定された量の金現物を受け取れるという内容となっていますが、金を取ってつけたような内容です。
これはかなり異常な提案であるだけでなく、アメリカ政府がかなりの窮状にあることを裏打ちするものです。
最長が30年国債で長期になればなるほど金利は高いのが通例ですが、今回はゼロクーポンです。
当然、魅力はありませんので、この米国債を買わせるための方法を模索しているという話が浮上しています。
ゼロクーポン50年債を購入してくれれば、金利は払わないが"米軍の保護を提供"するという条件で購入圧力をかけるといういつもの方法のようです。
利払いがないのであれば、金現物を買った方が良いと思うのは私だけではないはずです。
話を総合すると計画の概要は以下のようですが、かなり無理があるように思われます。
- 財務省が保有する金価格をスポット価格にすると同時に、金価格の吊り上げを行う。
- 保有する金を50年国債のツールとして使用する。
- 収益を上げて、BTCを購入する。
- BTC価格を1Mまで吊り上げる。
- 利益を使い、債務を返済する。
- 同時にソブリンウェルスファンドにアメリカの資源を組み入れて、アメリカ政府のバランスシートを改善する。
- 当然インフレは短期間のうちに激化し、アメリカ人は経済的に苦しみますが、米国債務は圧縮されます。
- うまくいけば、アメリカ政府は一部金本位制の通貨を発行することになりますが、国内外では異なるドルを使用する可能性があります。
- その過程でFRBを解体し、金本位制ステーブルコインと置き換えます。(CBDC)
- FRB解体や米国債デフォルトが起こるかもしれませんが、金現物はアメリカ国内に大量にあることは安定要因となります。
- 米ドルの人為的な弱体化は、国際競争力を取り戻すのに役立ちます。
多くの点が関係しますが、非常な短期間にすべてが起こると思っておくべきです。
意図的な米ドルの購買力低下措置、金現物のアメリカ国内への誘導、関税引き上げとファンドによる資産組み入れはリセットと新たな金融システムへの導入です。
これからの展開ですがトランプ政権が金保有量を監査すると言い出したり、関税引き上げのタイミングは物事の進展を理解する上での非常に大きなサインとなります。
突然の金銀価格高騰が起こる可能性が非常に高いですし、インフレは計画的に引き起こされます。
我々一般人にとってできることはいくつかあります。
突然のインフレ悪化を予期しておくこと、貴金属を購入しておくこと(預金は無価値になります。)
また米国債関連の資産を急いで処分すること、資産の移動制限がかかる可能性を予期して早めに移動しておくことがあります。
(アメリカ国内の金融機関からの資産移動が困難になる)
下のチャートは昨年の時点のデータですが、アメリカのM2マネーサプライを支えると仮定すると、計算上の金価格は$79,699になります。
金本位制の割合次第で、金価格の上昇度合いは異なると思われます。
下のリンクはトランプ政権の経済アドバイザーのスティーブン ミランの提案です。
英語が分かる方は下のリンクをご覧いただければと思います。
A User’s Guide to Restructuring the Global Trading System
果たしてリセットはうまくいくのでしょうか?
上で書いたことは先日も書いた2つ目のオファーの全容なのでしょうが、クリフハイのデータによれば、失敗することになっています。
巨額のデリバティブ崩壊のために、計画は水泡に帰すはずです。