先日、農林中金が630億ドル規模の米国債処分計画を発表したことは人々の注目を集めました。
しかし、農林中金だけではありませんでした。
WSJによると、GPIFが8000億ドル規模の米ドル建ての債券の処分を行おうとしていることを報じています。
恐らく日本円と日本国債市場の支えを行うために、米ドル建ての債券を処分すると見られています。
処分の対象となると見られているのは、GPIFが保有する4000億ドル相当の米国債と4000億ドル相当の海外の債券です。
GPIFの今回の方向性は、日本国内の他の金融機関にも影響を与えると見られており、政府機関であるGPIFによるドル処分は他の金融機関にも米ドル売りを容認するというメッセージを送ったことになります。
全体としては1.5兆ドル規模の資産が売却の対象となると見られており、そのうち米国債は8000億ドルが該当する見込みです。
GPIFに加えて、ゆうちょ銀行もドル売りを転じました。
ゆうちょ銀行が売却するのは米国債2000億ドルに加え、3500億ドル相当のインベストメントトラストですが、その中には米ドル建ての債券が大量に含まれています。
農林中金、GPIF、ゆうちょ銀行が米ドル処分に踏み切ることで、特に日本国内の金融機関が追随することは必至な状況です。
日本は世界最大の米国債保有国で、第二位の保有国である中国はすでに米国債の大量売却を行っています。
もし米国債に十分な買い手がいないとすれば、価格は暴落し金利は急騰します。
そして誰も彼もがが売り抜けようとして、売り浴びせすることになる可能性は否定できません。
特にBRICSの原油産油国によるサンドマン計画が控えている中、ドルを支えきれなくなり崩壊の糸口となるのは日本である可能性が高まりつつあります。
特にアメリカ政府の年間の国債利払い金額が2兆ドルに到達しようとしている今、アメリカにとっては非常に悪い出来事と言えます。
そんな中、FRBの利下げ時期に注目が集まっています。
9月の利下げはほぼ確実な状況ですが、ムーディーズは今月末にも利下げが始まるとの見方を発表しています。
ハイパーインフレに向けての最後の金融緩和が始まるのでしょうか?
WSJが日本政府による米国債大量売却計画を報じたことで、FRBによる最後の金融緩和+債務買いまくりの最後の大仕掛けが始まろうとしているのかもしれません。