2日前にハイパーインフレが発生したワイマー共和国の話を書きました。
アメリカの投資家がドイツに行き、当時の$50(銀換算では39オンスで)価値がある大きな不動産が買えたという話です。
70オンス程度で不動産を買ったという話もありますし、少量の貴金属で価値がある不動産を入手するというのはハイパーインフレ時にはよくある話のようです。
なぜこのようなことが起こるのかについて、考えてみたいと思います。
ハイパーインフレ時に不動産が大暴落するメカニズムはシンプルです。
不動産価格が高騰するそもそもの原因は、低金利で融資を受けられることにあります。
借りれば借りるほど金利が低くなり、同時に不動産価格は高騰していきます。
中央銀行が金利を下げて金融緩和を行うと、不動産バブルが発生します。
不動産に価値があるという錯覚を覚えるのは価格が高いためであり、そのほとんどは債務で成り立っています。
フルローンで不動産投資をしたり、わずかな頭金で住宅ローンを組む人が多いことを考えればわかりますが、不動産の価値の90%以上は債務で成り立っていると思います。
つまりその全ては住宅ローンを借りているあなたの支払い能力に完全に依存しています。
もし債務がハイパーインフレで無価値になるということは、それはローンを借りているあなたにローンの支払い能力がなくなることを意味します。
そして結果として価値の大半を占めている債務が無価値になれば、不動産の価格は急落することになります。
別の要素も関係します。
通貨を支えているものは何でしょうか?
ドルを支えている要素の大きなものはモーゲージ債(MBS)です。FRBは2.5兆ドル程度のモーゲージ債を保有しています。
日本円も同様で、日銀も都心部を中心に巨額のREITを保有しています。
ハイパーインフレにより通貨を支えている債務が無価値になれば、国債の価値が下がり通貨のハイパーインフレ化が加速することになります。
何がきっかけとなるのかはケースバイケースかもしれませんが、複数の要素が相まって悪循環のループが加速的に進展していくことになります。
こういうことです。
インフレにより不動産の価値を支える債務が無価値になる、それに誘発されて債務暴落によりそれによって支えられていた通貨も大暴落することになります。
複数の要因が重なり、不動産価格の大暴落が発生することになります。
そしてこの現象が発生するとき、購買力は貴金属に集中することになります。特に上がるのは銀です。
不動産はその国の通貨により値付けがなされるもので、通貨が無価値になれば不動産も無価値になるという見方もできます。
短い期間になると思われますが、貴金属の価値をベースとして見るときに、不動産の価格はありえない大暴落を起こすことになります。
ですからワイマー共和国のような事態となれば、その国の通貨以外の決済手段においてはタダ同然で不動産が取引されるようになるわけです。
貴金属を持っているのは全人口の0.5%ですので、買える人がいなくなるという理由もあります。
歴史が繰り返すのであれば、ワイマー共和国の時のように30-40オンスで不動産を購入することができるようになると私は思っています。
もしこの時に資産を構築したければ、銀の現物を用意しておいて、始まる時に一気に資産を買い始める必要があります。
この時にためらって様子見をしてはいけません。覚悟を決めて一気に行く必要があります。
そしてこの時に資産を大量に入手した人たちが、子供だけでなく孫やひ孫の代まで続く資産を手にすることになります、
今回のハイパーインフレの中心地はアメリカです。
過去の経緯からしても、アメリカでは不動産が叩き売りされる可能性は非常に高いです。