先回の記事では、トランプ政権が試みる3度のリセットについて書きました。
クリフハイは従来の予測を修正し、3度目のリセットは成功するとの見通しを示しました。
金本位制の米国債を導入することにより、隠れて刷りすぎた債務を吸収する試みは成功するとしていました。
しかしよく考えてみると、そうはいかないのではないかと思います。
まずは仮にトランプ政権が金本位制にこぎつけたとしても、3京ドルを超えると言われているデリバティブの問題には対応できません。
デリバティブが崩壊する時に、何もかもがが吹き飛ぶことになります。
ジュディシェルトンが提唱している金本位制の50年国債ですが、50年後にアメリカ政府がどうなっているのかなど誰にもわかりませんし、次の政権では反対に金を没収しようとするかもしれません。
ということで、3度目のリセットも失敗するとしたクリフハイの当初の予測の方が正しいと思います。
ちなみにトランプ政権ですが、監視社会に向けた動きを加速させています。
DOGEの活動も、監視社会に向けた動きを進めるために社会保障制度とAIを連結させる目的が主であったように思われます。
イーロンマスクが退任したのも、下準備が完了したということなのかもしれません。
Trump Taps Palantir to Create Master Database on Every American
ところで注目の債券市場についてですが、JPMのジェイミーダイモンが昨日警告を発しました。
債券市場に亀裂が入っていて崩壊は必ず起こること、そして規制当局はパニックに陥ることになる、という非常に深刻な警告を発しました。
3京ドルのデリバティブに亀裂が入っているわけですから、一旦始まると崩壊を止められる人はいません。
まずは日本から始まり、ヨーロッパそしてアメリカへと飛び火します。特にヨーロッパでは年金と社会保障システムの崩壊が顕著となります。
不動産の話ですが、アメリカ不動産情報提供大手のRedfinによると、4月には7件につき1件の割合で売買契約が履行されなかったと報じています。
件数にして56000の売買契約がキャンセルになったとしています。また売り手の数は買い手の数よりも50万人多いと予測しています。
また政府系住宅ローン企業は、バイデン政権時に発生した大量の差し押さえを抱えており、今後6-8か月の間に市場に放出されると見られています。
今年の3月の時点で700万件の差し押さえを止めるためだけに、資金提供をしていたことが判明しています。
不動産は歴史上稀に見る買い時に入ることになりますが、これは同時に賃貸経営が非常に困難であることをも意味します。
アメリカでは家賃保証のシステムがありません。そのため入居者の家賃は、大家の収益の直結します。
一旦強制退去が必要になる状況となると、半年くらいは最低でも家賃は入りません、
弁護士費用やら固定資産税やら、修繕費用やらが掛かりますので$5000-$10,000位のロスになります。
経済の崩壊により司法制度が機能しなくなれば、そもそも強制退去が不可能になるという事態も想定しなければなりません。
過去には大量の強制退去が発生したため、裁判所の待ち時間が長期化したこともありました。
最近は安い時に買うだけ買っておいて、一定期間は空室のまま放置したほうが良いのではないかと思い始めました。
大混乱の時期に賃貸経営を始めるのは、かなりのハイリスクですし、高い管理技術が必要となります。
人が勝手に住み着かないようにしたうえで、しばらくは様子を見る方が安全なのかもしれません。
物件取得の際も、リスクの程度を厳しく見分ける必要があるはずです。
あと最近思い始めているのは、アメリカの農地に投資することです。農地は同じ不動産でも特性が全く異なります。
また長期的に見ると、一番伸びしろがあるのは農地なのかもしれません。
現時点では投資金額に対してのリターンは高くありませんが、契約によっては地代ではなく、収穫高の割合で支払いを求める方法や現物の引き渡しを求めることも可能なようです。
農地として貸し出しているうちはほぼ確実に農作物の生産は行われますし、一般人や企業に貸し出すよりも安全なのかもしれません。
今後食料価格の高騰が見込める中で、農地の取得は狙い目なのかもしれません。
焦点はオーガニックの生産者と契約ができるかどうかという点なのかもしれません。